アイスクリームとラクトアイスの違いについて知りたい方もおられるのではないでしょうか。アイスクリームは4種類にわかれており、種類によって成分や味わいなどが異なります。
本記事では、アイスクリームとラクトアイスの違いについて解説します。また、アイスの種類や特徴、食品表示の見方も解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
アイスクリームとラクトアイスの違いとは?
アイスクリームとラクトアイスの違いについて解説します。
- 乳固形分
- 栄養価
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.乳固形分
アイスクリームには、乳固形分が最低15%、乳脂肪分が8%以上必要です。しかし、ラクトアイスはこれよりも乳成分が少なく、乳固形分が最低3%です。これらは食品衛生法により基準が設けられており、消費者に安全な製品が提供されるように規制されています。
なお、氷菓はこれらの製品とは異なり、乳固形分が含まれていないか、あるいは非常に低いため、さっぱりとした味わいが楽しめるのが特徴です。
2.栄養価
アイスミルク、アイスクリーム、ラクトアイスの100gあたりのカロリーと主な栄養素について、下記の表のとおりです。ただし、それぞれのアイスによってカロリーや栄養素は異なる場合があるため、数値は参考程度に捉えてください。
種類 |
エネルギー |
糖質 |
脂質 |
アイスミルク |
167kcal |
23.9g |
6.4g |
ラクトアイス(普通脂肪) |
217kcal |
22.1g |
13.6g |
アイスクリーム(普通脂肪) |
178kcal |
23.1g |
8.0g |
アイスクリームは、乳固形分が多く、脂肪分も高いため、濃厚な味わいが特徴です。一方でラクトアイスは、乳成分の割合が少なく、脂肪分もアイスクリームに比べて低いのが一般的です。
そのため、味が物足りなく感じられるため、製造する際に植物性油脂を添加して、食感や風味を向上させています。結果的に、ラクトアイスの脂質量がアイスクリームよりも多くなるケースがあります。
アイスクリームの種類や特徴
次に、アイスクリームの種類や特徴について解説します。
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
- 氷菓
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.アイスクリーム
アイスクリームは、乳固形分が15.0%以上で、乳脂肪分が8.0%以上のものが該当します。これらのアイスクリームは、ミルクの風味が際立ち、リッチで濃厚な味わいが楽しめます。
そのため、価格は高めですが、味の濃さから少量で大きな満足感が得られるのが魅力です。また、高級アイスクリームには植物油脂を添加するのが禁じられているため、カロリーがラクトアイスに比べてやや低めです。
2.アイスミルク
アイスミルクは、乳固形分が10.0%以上、乳脂肪分が3.0%以上を含むものです。そのため、ミルクの豊かな風味を楽しめて、アイスクリームとラクトアイスのよいところを兼ね備えています。
アイスミルクの特徴としては、乳成分が豊富でありながらも、カロリーは控えめです。しかし、植物油脂が添加されている場合があるため、購入する際には成分表示を確認するのがおすすめです。
アイスクリームほど濃厚ではないものの、程よいコクとなめらかな口当たりが魅力で、後味もさっぱりしています。
3.ラクトアイス
ラクトアイスは、乳固形分の含有量が3.0%以下と低めで、乳脂肪分が少ないのが特徴です。乳脂肪分を補うために植物性油脂を使用する場合が多く、なめらかな口当たりになります。
ラクトアイスは、爽やかな味わいと手頃な価格で人気がありますが、カロリーに注意が必要です。アイスクリームと比較すると、植物性油脂が多く含まれているため、ラクトアイスの方がカロリーが高くなりがちです。
購入の際には、カロリー表示を確認して選ぶようにしましょう。
4氷菓
氷菓は乳固形分が3.0%以下、またはまったく含まれていないものです。これには水、牛乳などの液体に果実や果汁、砂糖、蜜などを加えて凍結させたものが含まれます。
氷をそのまま味わうような清涼感と、しっかりした歯ごたえ、さらっとした口当たりが魅力です。氷菓は製造方法によって大きく2つのタイプにわけられます。
気泡を含まずに凍結させたものはアイスキャンディーと呼ばれ、棒に刺された固形の形状が特徴です。一方で、気泡を含んでやわらかく仕上げたものはアイスシャーベットとされ、よりやわらかい食感が楽しめます。
アイスクリームの食品表示の見方
次は、アイスクリームの食品表示の見方について解説します。
- 無脂乳固形分、乳脂肪分、乳脂肪分以外の脂肪分の表示
- 原材料名
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.無脂乳固形分、乳脂肪分、乳脂肪分以外の脂肪分の表示
アイスクリームの食品表示を正しく理解するためには、無脂乳固形分や乳脂肪分、乳脂肪分以外の脂肪分の違いを把握しなければなりません。無脂乳固形分は、牛乳から水分を除いた成分の一部で、栄養価の指標として使われています。
一方、乳脂肪分は風味やなめらかさを提供する要素で、表示は百分率(%)で示されます。アイスクリームは一般的に、乳および乳製品のみを油脂原料として使用するため、無脂乳固形分と乳脂肪分の表示が必要です。
しかし、風味付けのためにチョコレートや卵、ナッツ類などを使用する場合、それら由来の脂肪分も別途表示されます。
2.原材料名
食品の原材料表示について、最初に重量の多い順に食品添加物を除いた原材料を記載し、その後に食品添加物を同じく重量の多い順に記載しなければなりません。具体的な原材料の例としては、以下のとおりです。
- クリーム
- バター
- 脱脂濃縮乳
- 砂糖
- 卵黄
- 安定剤
- 乳化剤
- 香料など
乳製品であるクリームやバターは、それぞれの固有名称や「乳製品」として一括表示が可能です。さらに、コーンやシュー、モナカなどの食べられる容器も原材料に含まれます。
安定剤は、アイスクリームの適度な粘度を保ち、製品をなめらかにするために使用されています。乳化剤は、脂肪粒子や氷の結晶、空気の泡を均一にし、なめらかな食感にする役割です。
アイスクリームとラクトアイスの違いでよくある3つの質問
最後に、アイスクリームとラクトアイスの違いでよくある質問について紹介します。
- 質問1.ラクトアイスが太るといわれている理由は?
- 質問2.ジェラートとアイスクリームの違いは?
- 質問3.アイスクリームとソフトクリームの違いは?
それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
質問1.ラクトアイスが太るといわれている理由は?
ラクトアイスが太るといわれている理由としては、以下があげられます。
- 植物油脂を使用している
ラクトアイスは、アイスクリームやアイスミルクに比べて乳脂肪分が少ない分、植物油脂を使用している。植物由来の油脂でもカロリーは高くなるため、ラクトアイスはカロリーが高い
- 口あたりがよく食べ過ぎてしまう
ラクトアイスは、アイスクリームやアイスミルクよりもさっぱりしていて食べやすいため、つい食べ過ぎてしまう場合が多い。ファミリーパックの場合、1個あたりが小さめなため、「もう一つ」と手が伸びやすい
食べ過ぎはカロリーオーバーにつながり、脂肪分や糖分の過剰摂取にもなりかねません。適度な脂肪分や糖分はエネルギー源になりますが、過剰摂取は健康に悪影響をおよぼすため、食べ過ぎには注意が必要です。
質問2.ジェラートとアイスクリームの違いは?
アイスクリームの脂肪分は8.0%以上ですが、ジェラートの脂肪分は4%~7%であるため、「アイスミルク」の分類になります。ジェラートは、乳脂肪分が少ないため、アイスクリームに比べてさっぱりとした軽いおいしさが特徴です。
乳脂肪分が多いアイスクリームは、濃厚でリッチな風味を持ちますが、ジェラートは軽さからフルーツやナッツなどの素材の味を引き立てます。また、ジェラートは製造過程で空気をあまり含まないため、密度が高くなり、よりなめらかな食感を楽しめます。
また、アイスクリームは一般的に低温で保存されるため、固めの食感です。一方、ジェラートはやや高めの温度で保存され、やわらかく食べやすいのが特徴です。
質問3.アイスクリームとソフトクリームの違いは?
ソフトクリームは機械から抽出され、すぐに食べるため、一般的にオーバーラン(空気の含有量)が多く、製造温度も-4℃~-6℃でやわらかい仕上がりとなります。一方、ジェラートはソフトクリームに比べてオーバーランが低く、製品温度も-8℃~-10℃で、密度が高くしっかりした食感です。
アイスクリームは一般的に、冷凍庫で保存され、固めに仕上げられるため、持ち運びが容易です。また、ソフトクリームと比べて製造工程で空気をあまり含まないため、濃厚な味わいが楽しめます。
これらの違いにより、アイスクリームは濃厚でリッチな口当たり、ソフトクリームは軽くてなめらかな口溶けが特徴といえます。
まとめ
本記事では、アイスクリームとラクトアイスの違いやアイスの種類、特徴や食品表示の見方についてご紹介しました。
アイスクリームは、乳固形分が15.0%以上、乳脂肪分が8.0%以上のアイスです。ミルクの風味が際立ち、リッチで濃厚な味わいが楽しめます。
一方、ラクトアイスは、乳固形分の含有量が3.0%以下と低めで、乳脂肪分が少ないのが特徴です。乳脂肪分を補うために植物性油脂を使用する場合が多く、なめらかな口当たりになります。
また、アイスクリームには植物油脂を添加するのが禁じられているため、カロリーがラクトアイスに比べてやや低めの違いもあります。このような違いを理解して、アイスクリームを選ぶようにしてみてください。